LinkedIn採用とは?メリット・デメリットと費用や効果を解説
この記事のポイント
LinkedIn採用は実名と職歴に基づくダイレクトリクルーティングで、ハイクラスや専門人材に直接アプローチできます。会社ページ作成、人材検索、スカウト送信が基本の流れです。無料でも運用でき、有料のRecruiterや求人広告で範囲を広げられます。即効性は低めです。
「LinkedInを採用に使ってみたいものの、どんな仕組みでメリットや費用がどうなのかがよくわかりません」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
本記事の内容
- LinkedIn採用の仕組みと向くケース
- メリットとデメリットの両面
- 採用を始める手順と費用の目安
LinkedIn採用は、仕組みと費用を理解すれば、狙った人材への直接アプローチに強い手法です。
メリットだけでなくデメリットや成果が出るまでの考え方まで知れば、自社に合うかどうかを判断できます。気になる方は最後まで読み進めてください。
LinkedIn採用とは(ビジネスSNSを使った採用手法)
LinkedIn採用とは、世界最大級のビジネスSNS「LinkedIn(リンクトイン)」を活用して求人掲載やダイレクトスカウトを行う採用手法です。自社での運用リソースが不足している場合は、LinkedIn運用代行の費用相場を調べてプロに委託するのも有効ですが、求職者が応募を待つ「待ちの採用」とは異なり、企業側から能動的に候補者にアプローチできる点が最大の特徴です。
日本でも外資系企業やIT・コンサル系を中心に導入が広がり、2026年現在は国内ユーザーが400万人を超えています。
LinkedIn採用の仕組み
LinkedInでの採用活動は、効果的なLinkedInマーケティングのやり方とも共通する部分が多く、大きく3つの機能を組み合わせて成立します。
まず求人票の掲載です。企業の会社ページから無料で求人を公開でき、LinkedInのアルゴリズムが条件に合うユーザーへ自動表示します。
次にInMailによるダイレクトスカウトです。
有料プラン「LinkedIn Recruiter」を契約すると、登録ユーザーに直接メッセージ(InMail)を送れます。さらに2026年時点では、採用したい人物像を入力するとAIが最適な検索条件を自動で組み立てるAI支援検索機能も実装済みです。
LinkedIn登録ユーザーの約8割は現在積極的に転職活動をしていない潜在候補者です。通常の求人サイトでは接触できない層にアプローチできるため、競合他社とのバッティングが起きにくい構造になっています。
採用に向いている業界や職種
LinkedInは業界・職種によって向き不向きがはっきりしています。これらはLinkedIn広告の費用と効果を検討する際にも重要となるポイントで、登録ユーザーの職歴やスキル情報が充実している領域ほど、採用活動の精度が高まります。
- IT・テクノロジー(エンジニア、データサイエンティスト、プロダクトマネージャー)
- コンサルティング(戦略コンサル、ITコンサル、MBA取得者・海外経験者)
- 外資系企業全般(グローバル人材・バイリンガル人材)
- マーケティング・事業企画
- 人事・採用(HRBPなど専門職)
- 金融・FinTech
一方、介護・飲食・保育・製造現場・アルバイトなどの職種はLinkedInへの登録母数が少なく、採用には向きません。これらの職種は求人サイトやハローワークなど別チャネルを使うほうが効果的です。
中途採用と新卒採用での活用
LinkedIn採用は中途採用での活用が主流ですが、新卒採用でも一定の効果を発揮します。LinkedInプロフィールの書き方を学生や求職者向けにアドバイスしつつ、それぞれの特徴を活かってアプローチを比較・検討します。
| 項目 | 中途採用 | 新卒採用(LinkedIn Japan) |
|---|---|---|
| 母数 | 国内400万人超(専門職中心) | 学生ユーザーは限定的だが増加傾向 |
| 主な手法 | InMailスカウト・求人掲載 | インターン募集・学生への直接スカウト |
| 強み | 即戦力・外資系・ハイクラス層へのリーチ | 競合の少ないチャネルとして早期差別化 |
| 注意点 | InMail送信数はプランに上限あり | 国内学生の利用率はまだ低い |
中途採用では、転職意欲の低い現職者へのスカウトが最も効果的な使い方です。特に外資系や技術系ポジションは、候補者がLinkedInに詳細な職歴を公開しているため、スキルマッチの精度が高まります。
新卒採用においては、LinkedIn Japanが提供する学生向け求人投稿機能やインターン掲載を活用します。採用市場で競合の少ないチャネルとして早期に認知を獲得できる点と、海外大学在籍の留学生や帰国子女へのアプローチに有効な点が主な利点です。
LinkedIn採用のメリット
LinkedInでの採用活動には、他の求人媒体では得にくい独自の強みがあります。ビジネス特化型プラットフォームならではの特性を理解すると、中途採用の戦略が大きく変わります。
ハイクラスや専門人材にアプローチできる
一般的な求人サイトへの登録者は、積極的に転職を考えている顕在層が中心です。一方、LinkedIn営業の進め方と同様に能動的なアプローチを仕掛けるLinkedIn採用では、転職潜在層にも広くリーチできます。
国内の登録者約400万人のうち、潜在層が約8割を占めており、そのうち64%は「良い話があれば聞きたい」という意識を持っています。通常の採用チャネルでは接点を持てない層へのアプローチが可能です。
また、LinkedInには企業役員・部長クラス・専門職・フリーランスなど、経験豊富なハイクラス人材が多数登録しています。グローバル人材についても、海外ではLinkedInが名刺代わりとして定着しているため、外国籍人材や海外在住の日本人プロフェッショナルへもダイレクトに連絡を取りやすい環境です。
LinkedInの主な対象人材と特徴を下記にまとめます。
| 対象人材 | LinkedIn採用との親和性 |
|---|---|
| 転職潜在層(良い話があれば動く) | 潜在層が登録者の約8割を占める |
| ハイクラス・エグゼクティブ層 | 役員・部長クラスの登録者が多い |
| 専門職・エンジニア・研究職 | 職歴・スキルの詳細登録が一般的 |
| グローバル人材・外国籍人材 | 海外では標準的なビジネスツールとして普及 |
ビジネス文脈で自然につながれる
LinkedInはビジネス特化型のSNSであるため、採用の話題を持ちかけても相手に違和感を与えません。一般的なSNSでスカウトを送ると「なぜここに?」という不信感が生じることがありますが、LinkedIn上ではビジネス目的のコミュニケーションが前提とされています。
登録ユーザーは実名・顔写真・職歴・担当業務・スキルセットをプロフィールに公開しています。これにより採用担当者は所属企業・役職・経験年数などの条件で候補者を絞り込み、精度の高いターゲティングが可能です。
LinkedIn採用の使い方として代表的なのが「InMail(インメール)」によるスカウトです。つながりのないユーザーにも直接メッセージを送れる機能で、ビジネス文脈が確立された場だからこそ開封率・返信率が高い傾向にあります。
中途採用において、求人票の掲載だけでは動かない優秀層へ働きかける手段として有効です。
採用ブランディングにつながる
LinkedIn採用は単なる採用活動にとどまらず、企業ブランドの形成にも寄与します。企業ページを整備し、自社の事業内容・カルチャー・社員の声・社内の様子を継続的に発信することで、候補者に「働きたい会社」として認知してもらえます。
- 企業理念や事業ビジョンを発信し、共感する人材を集められる
- 社員が個人アカウントで発信した投稿が企業ページと連動し、自然な口コミ効果を生む
- ハイクラス層・専門人材はスカウトを受けた際に企業ページを必ず確認する傾向があるため、ページの充実が応諾率に直結する
採用ブランディングへの投資は、中長期でエンプロイヤーブランド(雇用主としてのブランド価値)を高め、採用コストの削減にもつながります。LinkedIn採用を中途採用の一手として検討する場合、企業ページの整備は並行して進めることが重要です。
LinkedIn採用のデメリット
LinkedIn採用は、ターゲット人材へのダイレクトアプローチという点で強力な手法です。ただし、求人票を掲載したその日から応募が殺到するわけではなく、運用設計と継続的な投資が求められます。
導入前に知っておくべきデメリットを整理しておきましょう。
即効性のある手法ではない
LinkedIn採用で成果を出すには、一定の「助走期間」が必要です。会社ページへのフォロワー獲得、採用担当者個人のプロフィール整備、スカウトの試行錯誤と改善サイクルを繰り返してはじめて返信率が安定してきます。
スカウトメール(InMail)の平均返信率は15〜20%程度とされており、自社ページのフォロワーに送る場合でも30〜40%が目安です。逆にいえば、フォロワー基盤が育っていない初期段階では、10通送って1〜2人から返信が来るペースからスタートする覚悟が必要になります。
| フェーズ | 目安期間 | 主な取り組み |
|---|---|---|
| 立ち上げ | 1〜3ヶ月 | 会社ページ整備・担当者プロフィール強化 |
| 軌道乗せ | 3〜6ヶ月 | スカウト文面のA/Bテスト・フォロワー獲得 |
| 安定運用 | 6ヶ月以降 | フォロワーベースの採用・返信率の向上 |
転職潜在層へのアプローチが主体になるため、候補者が「今すぐ転職したい」状態でないケースも多くなります。すぐに人員を補充したい急募案件では、LinkedIn採用だけに頼るのはリスクがあります。
運用に手間とノウハウがかかる
LinkedIn採用は、採用担当者が「自ら動く」設計になっています。候補者を検索し、プロフィールを読み込み、一人ひとりにパーソナライズしたスカウト文を送る——この一連の作業が積み重なるため、工数は想像以上にかかります。
特に返信率を高めるためには、下記のような継続的な改善が欠かせません。
- 件名・本文のパターンを変えながら効果を検証する
- 送信する曜日・時間帯を調整する
- 返信があったメッセージの共通点を分析して次に活かす
こうした運用ノウハウは一朝一夕では身につかず、担当者が離職した際に社内にナレッジが残りにくい点も課題です。専任担当者を置く余裕がない中小企業では、運用代行サービスを検討するケースも増えています。
LinkedIn採用で中途採用の成果を出すには、「ツールを買えば終わり」ではなく、継続的に運用できる体制づくりがセットで必要です。
母集団が限られる職種もある
LinkedInの国内登録ユーザーは主にIT・コンサル・外資系・グローバルビジネス従事者に偏っています。そのため、採用したい職種によっては、そもそも候補者プールの絶対数が少ない場合があります。
母集団の厚みは職種によって大きく異なります。
- 母集団が厚い職種: エンジニア、ITコンサルタント、マーケター、外資系営業、グローバル人材
- 母集団が薄い職種: 介護・保育・医療従事者、製造業の現場職、小売・サービス業のスタッフ
LinkedIn採用の使い方として、「あらゆる採用ニーズに対応できる万能ツール」と捉えると期待外れになりやすいです。LinkedIn上でターゲット職種の候補者数をあらかじめ検索して確認し、母集団が十分にある場合にのみ本格活用するという判断が現実的です。
LinkedInで採用を始める手順
LinkedInでのLinkedIn採用は、会社ページの作成から人材の検索・スカウト送信まで、一連の流れで進めます。無料でできることと有料プランが必要なことを把握したうえで、順番に設定していきましょう。
会社ページを作成する
会社ページは、LinkedInでの採用活動の起点となります。個人アカウントにログインした状態で作成し、最低2件のコネクションがあれば誰でも作れます。
- 個人アカウントでLinkedInにログインする
- ホーム画面右上の「その他」メニューを開く
- 「会社ページを作成」をクリックする
- 会社名・業種・会社規模・公式サイトURLなど必須情報を入力する
- 管理権限の確認ボックスにチェックを入れ、「ページを作成」で完了する
承認には最長2週間かかる場合があります。承認後はロゴ・バナー・会社概要を整え、採用担当者のプロフィールからもリンクしておくと信頼性が高まります。
ターゲット人材を検索する
会社ページが完成したら、採用したい人材を検索します。無料アカウントでも基本検索は使えますが、検索回数に上限があるため、本格的な採用には有料プランが実用的です。
- 無料アカウント:キーワード・地域・業種でシンプルに絞り込める。上限回数を超えると検索結果が制限される
- Recruiter Lite:スキル・役職・学歴・卒業年・会社名など多項目で絞り込める。月額1.5万円前後
- LinkedIn Recruiter(エンタープライズ):さらに高度なフィルタリングと優先表示が使える。月額数万〜十数万円(要見積り)
検索結果から候補者のプロフィール確認し、スカウト対象のリストを作っておくと次のステップがスムーズです。
スカウトを送信する
LinkedIn採用では、InMail(インメール)と呼ばれるメッセージ機能でスカウトを送ります。つながっていない相手にも直接アプローチできるのがInMailの強みですが、候補者側の視点としてLinkedInスカウトへの返信のコツを理解し、返信しやすい文面を作成することが重要です。
- 候補者のプロフィールページを開く
- 「メッセージを送信」または「InMailを送信」をクリックする
- 件名と本文を入力して送信する
InMailを送るにはプレミアムプランのInMailクレジットが必要です。月ごとにクレジットが付与され、候補者がメッセージを開封した場合はクレジットが返還されます。
文面は400文字程度にまとめるのが効果的です。スマートフォンから読む候補者が多く、一画面に収まる長さが開封・返信率を高めます。
LinkedIn公式が推奨する返信率の目安は20〜25%です。件名で「なぜこの人に送ったか」を明示すると向上しやすくなります。
採用にかかる費用の目安
LinkedIn採用の費用は、利用するプランと求人掲載の設定によって変わります。以下は2026年時点の目安です。
| プラン | 月額(税別・目安) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 無料アカウント | 0円 | 会社ページ作成・基本検索・求人掲載 |
| Recruiter Lite | 約1.5万円〜 | 高度な検索・InMail送信 |
| LinkedIn Recruiter | 要見積り(数万〜十数万円) | 大量採用・チーム利用 |
| 求人広告(クリック課金) | 設定予算次第 | 求人への応募数を増やしたいとき |
無料プランでも求人掲載は可能です。ただし掲載後の露出を高める「プロモート(有料)」を活用しないと、応募が集まりにくい場合があります。
スタートアップや中小企業にはRecruiter Liteが費用対効果の面で選ばれやすいです。まずは無料で会社ページと求人を整えてから、反応を見て有料プランへ切り替えるのが現実的なステップです。
まとめ:LinkedIn採用は仕組みと費用を理解すれば直接アプローチに強い
LinkedIn採用は、仕組みと費用を理解すれば、狙った人材への直接アプローチに強い手法です。本記事では、LinkedIn採用の仕組み、メリットとデメリット、採用を始める手順と費用の目安を解説しました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 実名や職歴ベースで専門人材に直接アプローチできる
- 即効性はなく運用に手間がかかる
- 無料の活用から始め有料プランで広げられる
仕組みとメリット、費用がわかると、自社の採用にLinkedInを取り入れる判断がしやすくなります。まずは会社ページの整備から、LinkedIn採用を始めてみてください。
LinkedIn 採用に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
Zisedai Media編集部は、海外転職・リモートワーク・フリーランス・外貨獲得に関する最新情報をわかりやすく発信しています。一次情報や公的データ、現場の知見をもとに、円安時代を生きる人の新しい働き方をサポートします。
監修者
リサーチチーム
Zisedai Mediaリサーチチームは、海外就労・国際ビジネス・各国制度・為替・税制などの情報を継続的に調査・検証しています。信頼できる情報源をもとに、記事の正確性と中立性を確認し、読者へ価値ある情報を届けます。
関連記事
英文レジュメとは?CVや日本の履歴書との違いと書き方を解説
英文レジュメとは何かを、日本の履歴書やCVとの違い、記載する項目や種類までわかりやすく解説します。自分に合った書類作成をすぐ始められます。
英語の履歴書を学生が書く方法・無料テンプレートと例文で解説
英語の履歴書を学生が書くときの構成と項目の書き方を具体例つきで解説します。職歴が少なくても強みを伝えるコツや無料テンプレートもわかります。
英文履歴書の作成ツール5選|無料で使える選び方とコツを解説
英文履歴書の作成ツールを種類別に紹介します。無料で使えるおすすめツールと選び方、作った書類を仕上げるコツまでわかり、効率よく準備できます。
LinkedInに登録しないで見る方法・足跡や通知の不安まで解消
LinkedInに登録しないで相手のプロフィールを見る方法を解説。足跡が残らない理由や登録した覚えがない通知の正体まで網羅し、安全に情報収集が可能。
LinkedInの足跡は残る?確認方法とバレずに見る設定を全解説
LinkedInの足跡が相手にバレるか不安な方へ、閲覧通知が残る仕組みと足跡を残さず見る設定方法を解説。自分を見た人の確認手順までよくわかります。
LinkedIn検索の使い方とは?人や企業の探し方とバレない設定
LinkedIn検索の使い方を知りたい方へ。検索バーやタブの基本、人や企業や投稿の探し方、フィルター活用、検索や閲覧でバレない設定まで解説します。